
【パウエル議長「今月の追加利下げも視野」-雇用の弱まりに警戒】
アメリカの「お金の番人」と言われる、FRB(米連邦準備制度)のトップ、パウエル議長が10月14日に大事な発言をしました。
内容をかんたんに言うと、「今月の会合で、また金利を少し下げるよ」というものです。
でも今、アメリカでは「政府の一部が止まってしまう(閉鎖)」という問題があり、経済データが出てこない状態。
そんな中でも、パウエルさんは「経済の状況は前と変わっていない。予定どおり利下げを進める」と話しました。
なぜ金利を下げるの?アメリカ経済に何が起きてるの?
金利を下げる理由は、ずばり「景気の元気がなくなってきているから」です。
最近のアメリカでは、「仕事が減ってきている」ことが問題になっています。
新しく人を雇う会社が減っていて、失業する人が増えるかもしれません。
パウエル議長も「求人がもっと減れば、失業率が上がるかもしれない」と心配しています。
実は、9月にもFRBは金利を下げました。これは去年の12月以来のこと。
その時も「仕事が減ってきたから」という理由でした。
今の失業率は4.3%とまだ低めですが、これ以上悪化すると景気が冷え込むおそれがあります。
専門家たちもこう話しています。
「10月の利下げはもう決まったようなもの」(元FRBエコノミストのジュリア・コロナド氏)
つまり、FRBが「経済を助けるためにお金を借りやすくしよう」としているわけです。
データが出ない中での判断、かなり難しい!
今、アメリカでは「政府機関の一部が止まっている(閉鎖)」ため、雇用統計などの大事な数字が発表できていません。
FRBはそのデータをもとに判断するのですが、「数字がないと、何が起きているのか分かりにくい」状態です。
パウエル議長は言います。
「政府のデータは“ゴールド・スタンダード(最高の基準)”なんだ。民間のデータで代わりはできない」
つまり、政府の数字が出てこないのは本当に困る、ということです。
特に「10月のデータ」が抜けてしまうと、景気の流れを正しく判断できないと話しています。
もしこの状態が長引くと、「金融政策をどうするか決めにくくなる」とも言っています。
実際、FRBの中でも意見は分かれています。
ある人は「年内あと2回は利下げが必要」と言い、別の人は「1回で十分」と言うなど、考えがバラバラ。
KPMGのダイアン・スウォンク氏はこう分析しています。
「この意見の分かれ方が、パウエル議長が慎重になっている理由の一つだ」
インフレも落ち着かない…難しいバランスの中で
FRBには「2つの大きな使命」があります。
1つ目は「物価を安定させること」。
2つ目は「みんなに仕事がある状態を保つこと」。
でも今のアメリカは、その2つが反対方向に動いているんです。
仕事は減ってきているのに、物価(インフレ)はまだ高いまま。
つまり、「景気を助けたいけど、物価を上げたくはない」という、ものすごく難しい状況です。
FRBはお金の流れをコントロールして、どちらもバランスを取ろうとしています。
その中でパウエル議長は、「もし景気がさらに冷え込んだら、資金を回しやすくするために“バランスシートの縮小”を止めることも考えている」と話しました。
これはつまり、「市場にお金を流しやすくして、企業が困らないようにする」という意味です。
特に翌日(1日以内)にお金をやり取りする「資金市場」で、流れを止めないようにする狙いがあります。
まとめ:10月の利下げはほぼ確定。でも先行きは不透明
・パウエル議長は、10月の利下げを「ほぼ確定」と発言。
・理由は「仕事(雇用)」が減ってきているため。
・ただし「政府機関の閉鎖」で大事な経済データが出てこず、判断が難しい。
・インフレ(物価上昇)はまだ落ち着いておらず、両方のバランスを取るのが課題。
今月28日と29日に行われるFOMC(連邦公開市場委員会)で、正式に決定される予定です。
アメリカの金利は世界の株や通貨にも大きな影響を与えます。
つまり、今回のFRBの決定は、私たち日本人の生活にも少しずつ影響してくるかもしれません。
10月の利下げはもうほぼ確実。
でも、その先の「2025年の景気」がどうなるかは、まだ誰にもわかりません。
FRBは「景気を守りながら、物価を落ち着かせる」という、まさに“綱渡り”のような政策を進めています。